家族で海外に移住を考えるとき、何から始めれば良いのか、複雑で分かりにくい手続きが多くて不安に感じる方も多いはずです。
この記事では、移住前の3ヶ月から必要な具体的な手続きを18のステップに分けて詳しく解説します。ビザの申請や移住先での手続きなど、初めての方でも理解しやすいように、各手続きの具体的な内容を丁寧に解説していきます。
海外移住の手続きを始める前に、必要な情報をしっかりと把握し、海外移住への大きな一歩が踏み出せるよう役立ててください。
外移住3ヶ月前からやるべき
海外への移住を考える際、スムーズに進めるためには計画的な準備が不可欠です。特に出発の3ヶ月前は、手続きを始めるための重要な期間です。ここでは海外移住に必要な初期の手続きをステップごとに詳しく説明していきます。
ステップ1:パスポートの有効期限を確認
パスポートは国際的な身分証明書として、また各国への入国許可を得るために絶対に必要な書類です。移住先の国によっては、入国時にパスポートの残存有効期間が求められる場合があります。
一般的には有効期限が半年以上残っている必要がありますが、国によっては1年以上の残存期間を要求することもあります。このため、3ヶ月前には必ず有効期限を確認し必要ならば更新手続きを行いましょう。
ステップ2:ビザの申請開始
移住先の国によって必要なビザ(査証)が異なります。ビザの種類は様々ありますが、下記のビザが一般的です。
【一般的なビザの種類】
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ビザ申請は、書類集めや申請手続きに時間がかかることが多いので、早めに始めることが肝心です。特に人気のある移住プログラムでは、申請から許可まで数ヶ月を要することも考慮して、この時期には申請を開始しておくことをおすすめします。
また申請には主に下記の書類の提出が必要になります。
【一般的に必要なビザ申請書類】
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ビザの種類によって必要な書類が異なるので、各ビザに応じて最新の書類情報を確認して書類集めを行うようにしてください。
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ステップ3:健康診断と予防接種
多くの国ではビザ申請の一環として、健康診断の提出を求められます。
また、移住先によっては特定の予防接種が必須とされることがあります。例えば、黄熱病や肝炎、破傷風など、現地で流行している感染症に対する予防接種が推奨される場合が多いです。予防接種は複数回接種が必要なものもあり、完了するまでに時間がかかることもあるため、この時期にはしっかりと計画を立てておくことが大切です。
ステップ4:歯科検診
海外での歯科治療は、想像以上に費用が高くつくことがあり、特にアメリカや一部のヨーロッパ国では治療費が、数百ドルから千ドル以上かかることが少なくありません。さらに、現地の健康保険では、歯科治療がカバーされていないため、全額自己負担になるケースがほとんどです。
また、日本を離れて海外に移住すると、住民票の登録が抹消されるため、国民健康保険からも脱退することになります。これにより、一時帰国した際にも、日本での医療サービスを国民健康保険の適用で受けることができなくなります。その結果、他の医療サービスを含め全額自己負担で支払う必要があり、高額な医療費を要することになる可能性があります。このため、海外移住前に歯はしっかり治しておくことをおすすめします。
海外移住2ヶ月前からやるべき手続き
ビザの申請など入国の準備を終えた移住2か月前は、いよいよ移住先での生活の準備に取り掛かります。この時期に適切な準備をしておくことで、よりスムーズに移住生活をスタートできます。
ステップ5:移住先の住居の準備
移住先での住居を事前に確保することは、安定した新生活の基盤を作る上で非常に重要です。
住居探しはオンラインで事前にリサーチをすることも可能ですが、現地の不動産エージェントを通じて探すとより具体的な情報が得られます。エージェントは地域の住宅市場に精通しており、予算や生活スタイルに合った物件を提案してくれます。
また、契約条件の交渉や法的な手続きの支援も行ってくれるため、言語や文化の壁に直面するリスクを軽減できます。
ステップ6:子供の学校選びと入学手続き
子供がいる家庭では、学校選びも移住準備の重要なポイントです。移住先の教育システムを理解し、子供に合った学校を選ぶことが重要です。
学校選びのポイントとして、教育の質、言語、カリキュラム、学校の場所、学費など、多くの要素を考慮する必要があります。可能であれば、現地で学校見学を行い、直接雰囲気を感じ取ることもおすすめです。
学校を決めたら、事前に学校に連絡を取り、入学要件や必要書類について確認しておきましょう。入学の必要書類として、出生証明書、移住前の成績証明書、ワクチン接種証明書などが求められることが一般的です。
ステップ7:国際運転免許の取得
多くの国で車は日常生活に不可欠です。国際運転免許証があれば、多くの国で日本の運転免許証とともに使用することができ、移住初日から自動車を運転することが可能です。
国際運転免許証は日本国内の運転免許センターで申請でき、手続きは比較的簡単で発行も速いですが、有効期限は1年間と限られています。
したがって、長期的に運転を考えている場合は現地での運転免許の取得も検討しましょう。
ステップ8:国際引越し業者と航空券の手配
実際に移住する際には荷物の国際輸送を依頼する引越し業者を選び、航空券を手配する必要があります。
引越し業者を選定する際には、見積もりを複数取り、サービス内容を比較検討するようにしましょう。荷物の量、保険の有無、輸送ルート、所要時間など、詳細なプランを事前に確認しておくことが重要です。
また出発日に合わせて航空券も予約しましょう。航空券は早めに予約することで費用を抑えることができます。
海外移住1ヶ月前からやるべき手続き
海外移住を控えた方々にとって、出発の1ヶ月前は準備を確実に進めるための重要な時期です。ここでは、海外移住前の最終確認として必要なステップをわかりやすくご紹介します。
ステップ9:銀行口座と海外送金サービスの確認
移住先での金融関連の準備には十分に注意を払いましょう。まず現地での銀行口座開設に必要な書類や条件を調査します。一部の国では外国人の口座開設が難しいため、HSBCやCitibankといった国際銀行が現地に支店を持っているか確認するのがおすすめです。
また、TransferWise(現Wise)やPayPalなどの国際送金サービスは手数料の比較だけでなく、送金速度や通貨変換レートも事前にチェックし条件の良いサービスを選びましょう。
例えば、Wiseでは複数の通貨を一つのアカウントで管理できるマルチカレンシーアカウントが便利です。
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ステップ10:郵便物の転送手続き
移住後も日本からの郵便物を受け取る必要がある場合は転送サービスを設定しておくことをお勧めします。日本郵便の「転居届」を提出し、一定期間、海外の住所へ自動的に郵便物が転送されるように設定できます。
このサービスには通常1年間の有効期限がありますが延長申請も可能です。重要書類や不在時の郵便物に関しては信頼できる家族や友人に一時的に管理を依頼するのも一つの方法です。
ステップ11:海外保険に加入
海外での病気や事故に備え、適切な保険に加入することが重要です。移住先の国や地域によって必要とされる保険内容は異なるため事前にしっかりとリサーチを行いましょう。
特に医療保険は、病院の選び方や診療範囲を事前に確認し、現地での健康管理を万全にしておくことが大切です。AXAやAllianzなどの国際保険は、広範な医療ネットワークを提供しています。
一般的には健康保険と旅行保険が基本ですが、場合によっては財産保険や生命保険の加入も検討することをおすすめします。保険の詳細については専門の保険代理店に相談するようにしましょう。
ステップ12:現地の医療サービスの確認
現地の医療サービスのチェックも忘れてはいけません。
特に緊急時にどの病院へ行けば良いのか、事前にリストアップしておくと安心です。特に日本語や英語が通じる医療機関の情報は緊急時に非常に役立ちます。現地の日本人会や大使館のウェブサイトで、日本語対応可能な医療機関の情報も得られます。
また、常備薬を十分に持参するとともに現地で必要な医療手続きや健康診断の予約方法を学んでおくことも重要です。
海外移住2週間前からやるべき手続き
海外移住の準備も大詰めの2週間前、この時期には特に忘れてはならない重要な手続きがあります。
ここでは役所での手続きと携帯の解約方法について詳しく説明します。これらの手続きをしっかりと行うことで、海外での生活をスムーズに始めることができます。
ステップ13:住民票など役所での必要手続き
初めての手続きで戸惑うこともあるかもしれませんが、下記のリストを参考に、抜け漏れがないようしっかりと海外移住前の手続きを行うようにしましょう。
住民票 | 1年以上海外に移住する場合、市町村役場にて「海外転出届」を提出し、住民票を除票する手続きを行います。公的記録上での住所が海外に変更されます。 |
国民年金保険 | 国民年金第1号被保険者は、海外移住に伴い、任意継続被保険者への変更を申請可能です。海外での生活中も年金の支払いが継続され、将来の年金受取額に影響が出ないようにすることができます。 |
国民健康保険 | 海外に長期間滞在する場合は、国民健康保険からの脱退が必要になります。これにより健康保険税の支払い義務がなくなります。 |
マイナンバーカード | 海外移住を理由にマイナンバーカードを返却することも一つの手です。しかし、帰国後に再発行する手間を考えると、保持しておく選択もあります。 |
住民税の支払い | 最終的な住民税の精算を行い、滞在中の税金が発生しないようにしましょう。住民税は1月1日の時点で住民票がある市区町村で課税されるため、翌年6月からの1年間における住民税は一般的に発生しませんが確認が必要です。 |
ステップ14:携帯の解約
海外移住に当たって日本国内で使用していた携帯電話の契約を解除する手続きを忘れずに行いましょう。
出国日直前まで携帯を使用したい場合は、解約の申し込みを事前にしておいて実際のサービス停止を出国日に設定することが可能です。こうすることで日本での最後の日までスマホを活用できます。
また、SIMカードはそのままにしておくと帰国時に再利用できる場合がありますので、保管しておくと良いでしょう。
海外移住後にやるべき手続き
日本での手続きを終え、新たな国への一歩を踏み出した後も、安心して生活を始めるためにはまだいくつかの重要な手続きが待っています。
スムーズに新生活をスタートさせるために必要なプロセスを説明していきます。
ステップ15:在留届の提出
海外での生活を始めたら、まず最初に行うべきは「在留届」の提出です。在留届は、日本国籍を持つ者が90日以上外国に滞在する場合に、最寄りの日本大使館や総領事館へ提出するものです。
これにより万が一の事態が発生した際に、速やかな連絡が可能となり、適切な支援を受けられるようになります。
また在留届はオンラインでも提出可能です。提出後は現地の安全情報がメールで送られてくることがあるので、情報を常に更新しておきましょう。
ステップ16:現地での銀行口座開設
移住先での生活には、現地の通貨を管理する銀行口座が必須です。銀行口座があれば家賃の支払い、公共料金の支払い、給料の受け取りなどが格段に楽になります。
口座開設の際には、パスポートやビザ、住所証明書などの必要書類を準備しておくことが大切です。また言語の壁がある場合は、通訳を用意するか、英語対応が可能な銀行を選ぶと良いでしょう。
ステップ17:社会保障番号の取得
多くの国では、社会保障番号(またはそれに相当するID)の取得が必要です。
これにより、医療サービスの利用、雇用の際の手続き、その他公的サービスの利用が可能になります。移住先の地方行政機関や社会保険事務所で申請し、必要書類を提出する必要があります。
ステップ18:携帯電話とインターネットの手配
現地での携帯電話契約は家族や友人と簡単に連絡を取り合うために重要です。また、緊急時の対応や日常生活の便利さを左右するため移住後すぐに行うことをおすすめします。
契約の際は、各プランの内容を比較し、自分のライフスタイルに合ったサービスを選ぶことがポイントです。言語の壁がある場合、英語またはその他の言語でサポートを提供しているかどうかも契約前に確認が必要です。
また、ほとんどの国で携帯電話の契約にはパスポートやビザ、住所証明が必要です。事前に必要な書類を確認し準備しておくとスムーズです。
まとめ
海外への移住を考えている家族にとって、事前にやるべき手続きを理解し、計画的に準備を進めることが海外移住成功のカギです。今回ご紹介したステップは、出発前3ヶ月前のステップから、移住後の現地で必要な手続きまで、海外移住でやるべきことを網羅しました。
この記事を参考に、家族みんなが新しい国での生活をスムーズに、そして安心して始められるよう役立ててください。
弊社ではビザの申請サポートはもちろん、現地への移住サポートからお子様の学校探しのお手伝いまで幅広く行っています。
海外への移住をお考えの方は、ご希望に沿った形でのご提案やサポートが可能ですので、お気軽にご連絡くださいませ。
海外への移住に関する詳細:https://www.la-quarta.jp/immigration
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