イタリアでの新生活に向けてわくわくする一方で、複雑な手続きに不安を感じている方も多いのではないでしょうか?パスポートの準備からビザの申請、現地での生活の準備まで、イタリア移住には様々な手続きが必要です。
この記事では、家族でイタリアに移住する際に必要な手続きを20のステップに分けて分かりやすく解説します。この記事を読めば、この記事を読めば、手続きの不安を解消し、イタリア移住の手続きの流れがつかめ、移住の準備をスムーズに進めることができるでしょう。
イタリア3ヶ月前からやるべき手続き
イタリアへの移住を考える際、スムーズに進めるためには計画的な準備が不可欠です。特に出発の3ヶ月前は、手続きを始めるための重要な期間です。ここでは海外移住に必要な初期の手続きをステップごとに詳しく説明していきます。
ステップ1:パスポートの有効期限を確認
イタリア移住を計画する際、まず最初に確認すべきはパスポートの有効期限です。イタリアに入国するためには、パスポートの有効期限が少なくとも6か月以上残っている必要があります。
パスポートの有効期限が切れそうな場合は、早めに更新手続きを行いましょう。更新には数週間かかることがあるため、移住の準備に遅れが出ないよう注意が必要です。
ステップ2:ビザの申請開始
イタリアには様々な種類のビザがあり、それぞれに異なる要件や申請手続きが存在します。
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【イタリア移住に必要な代表的なビザの種類】
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イタリア移住のビザに関する記事では、イタリア移住に必要なビザの種類ごとに、特徴や申請方法、取得に必要な条件を分かりやすく説明しているので、あなたの目的や状況に合ったビザを選択し、イタリア移住の準備を進めましょう。
また、ビザ申請は、書類集めや申請手続きに時間がかかることが多いので、早めに始めることが肝心です。特に人気のある移住プログラムでは、申請から許可まで数ヶ月を要することも考慮して、この時期には申請を開始しておくことをおすすめします。
また申請には主に下記の書類の提出が必要になります。
【ビザ申請に必要な書類】
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ビザの種類によって必要な書類が異なるので、各ビザに応じて最新の書類情報を確認して書類集めを行うようにしてください。
ステップ3:健康診断と予防接種
イタリアに長期滞在するためには、健康診断と予防接種を受けることをおすすめします。特に子供のいるご家庭は、予防接種のスケジュールを確認し必要な予防接種を済ませておくことが重要です。
また、イタリアでの医療サービスを利用する際に必要となる医療記録も準備しておきましょう。現地での医療機関や保険の手続きをスムーズに行うためにも、健康診断の結果や予防接種の証明書を持参することをおすすめします。
海外移住2ヶ月前からやるべき手続き
ビザの申請など入国の準備を終えた移住2か月前は、いよいよイタリアでの生活の準備に取り掛かります。この時期に適切な準備をしておくことで、よりスムーズに移住生活をスタートできます。
ステップ4:移住先の住居の準備
移住先での住居を事前に確保することは、安定した新生活の基盤を作る上で非常に重要です。
住居探しはオンラインで事前にリサーチをすることも可能ですが、現地の不動産エージェントを通じて探すとより具体的な情報が得られます。また、契約条件の交渉や法的な手続きの支援も行ってくれるため、言語や文化の壁に直面するリスクを軽減できます。イタリアの主要な不動産サイトには、Immobiliare.itやIdealista.itなどがあります。
また、地域選びについては、各地域の安全性、生活環境、学校、交通の便などを調査しましょう。例えば、ローマやミラノなどの大都市は利便性が高いですが、生活費が高くなる可能性があります。一方、トスカーナやシチリアなどの地方都市は、生活費が比較的安い反面、利便性に欠ける場合があります。
ステップ5:子供の学校選びと入学手続き
子供がいる家庭では、学校選びも移住準備の重要なポイントです。移住先の教育システムを理解し、子供に合った学校を選ぶことが重要です。
イタリアの教育システムでは、公立学校は学費が無料ですが、私立学校は授業料が必要です。また、インターナショナルスクールも多数あり、これらは多言語教育を提供し、国際的なカリキュラムを採用しています。イタリア教育省の公式サイトMiurでは、イタリアの教育システムに関する情報が得られます。
学校を決めたら、事前に学校に連絡を取り、入学要件や必要書類について確認しておきましょう。入学の必要書類として、出生証明書、移住前の成績証明書、ワクチン接種証明書、保護者の身分証明書、住民登録証明書などが求められることが一般的です。
ステップ6:国際運転免許の取得
多くの国で車は日常生活に不可欠です。国際運転免許証があれば、多くの国で日本の運転免許証とともに使用することができ、移住初日から自動車を運転することが可能です。
国際運転免許証は日本国内の運転免許センターで申請でき、手続きは比較的簡単で発行も速いですが、有効期限は1年間と限られています。
【国際免許取得に必要な書類】
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また、日本の運転免許をイタリア運転免許に書き換えることも可能です。二国の間に相互認識協定があるため、免許を書き換えることができます。必要書類を揃えて、最寄りのモータリゼーションオフィス(Motorizzazione Civile)に提出します。書類が全て揃っていることを確認し、申請手数料を支払います。通常は理論試験や実技試験を受ける必要はありません。
【書き換えに必要な書類】
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イタリアの交通規則や運転マナーは日本とは異なる点が多いため、現地のルールを十分に理解しておくことが重要です。
ステップ7:国際引越し業者と航空券の手配
実際に移住する際には荷物の国際輸送を依頼する引越し業者を選び、航空券を手配する必要があります。
引越し業者を選定する際には、見積もりを複数取り、サービス内容を比較検討するようにしましょう。荷物の量、保険の有無、輸送ルート、所要時間など、詳細なプランを事前に確認しておくことが重要です。
また出発日に合わせて航空券も予約しましょう。航空券は早めに予約することで費用を抑えることができます。
海外移住1ヶ月前からやるべき手続き
海外移住を控えた方々にとって、出発の1ヶ月前は準備を確実に進めるための重要な時期です。ここでは、海外移住前の最終確認として必要なステップをわかりやすくご紹介します。
ステップ8:郵便物の転送手続き
移住後も日本からの郵便物を受け取る必要がある場合は転送サービスを設定しておくことをお勧めします。日本郵便の「転居届」を提出し、一定期間、イタリアの移住先の住所へ自動的に郵便物が転送されるように設定できます。
このサービスには通常1年間の有効期限がありますが延長申請も可能です。重要書類や不在時の郵便物に関しては信頼できる家族や友人に一時的に管理を依頼するのも一つの方法です。
ステップ9:海外保険に加入
海外での病気や事故に備え、適切な保険に加入することが重要です。特に医療保険は、病院の選び方や診療範囲を事前に確認し、現地での健康管理を万全にしておくことが大切です。
AIG、三井住友海上火災保険、東京海上日動火災保険などの日本の保険会社も海外保険サービスを提供していますが、AXAやAllianzなどの国際保険会社もイタリアで生活する外国人向けの医療保険プランを提供しています。保険内容を比較する際は、緊急時の医療費、帰国費用、損害賠償責任、盗難や紛失などの補償が含まれているか確認しましょう。
一般的には健康保険と旅行保険が基本ですが、場合によっては財産保険や生命保険の加入も検討することをおすすめします。保険の詳細については専門の保険代理店に相談するようにしましょう。
ステップ10:現地の医療サービスの確認
現地の医療サービスのチェックも忘れてはいけません。特に緊急時にどの病院へ行けば良いのか、事前にリストアップしておくと安心です。特に日本語や英語が通じる医療機関の情報は緊急時に非常に役立ちます。イタリア大使館のウェブサイトで、日本語対応可能な医療機関の情報も得られます。
常備薬を十分に持参するとともに現地で必要な医療手続きや健康診断の予約方法を学んでおくことも重要です。またイタリアの緊急連絡先も覚えておきましょう。
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海外移住2週間前からやるべき手続き
海外移住の準備も大詰めの2週間前、この時期には特に忘れてはならない重要な手続きがあります。
ここでは役所での手続きと携帯の解約方法について詳しく説明します。これらの手続きをしっかりと行うことで、海外での生活をスムーズに始めることができます。
ステップ11:住民票など役所での必要手続き
初めての手続きで戸惑うこともあるかもしれませんが、下記のリストを参考に、抜け漏れがないようしっかりと海外移住前の手続きを行うようにしましょう。
住民票 | 1年以上海外に移住する場合、市町村役場にて「海外転出届」を提出し、住民票を除票する手続きを行います。公的記録上での住所が海外に変更されます。 |
国民年金保険 | 国民年金第1号被保険者は、海外移住に伴い、任意継続被保険者への変更を申請可能です。海外での生活中も年金の支払いが継続され、将来の年金受取額に影響が出ないようにすることができます。 |
国民健康保険 | 海外に長期間滞在する場合は、国民健康保険からの脱退が必要になります。これにより健康保険税の支払い義務がなくなります。 |
マイナンバーカード | 海外移住を理由にマイナンバーカードを返却することも一つの手です。しかし、帰国後に再発行する手間を考えると、保持しておく選択もあります。 |
住民税の支払い | 最終的な住民税の精算を行い、滞在中の税金が発生しないようにしましょう。住民税は1月1日の時点で住民票がある市区町村で課税されるため、翌年6月からの1年間における住民税は一般的に発生しませんが確認が必要です。 |
ステップ12:携帯の解約
イタリア移住にあたって日本国内で使用していた携帯電話の契約を解除する手続きを忘れずに行いましょう。ただし、日本にいた時の2段階承認が携帯のSMSに届くようになっている場合などは、海外でも日本の携帯が安く使えるものなどもありますので、解約する前に検討しましょう。
出国日直前まで携帯を使用したい場合は、解約の申し込みを事前にしておいて実際のサービス停止を出国日に設定することが可能です。こうすることで日本での最後の日までスマホを活用できます。
また、SIMカードはそのままにしておくと帰国時に再利用できる場合がありますので、保管しておくと良いでしょう。
イタリア滞在中にやるべき手続き
日本での手続きを終え、新たな国への一歩を踏み出した後も、安心して生活を始めるためにはまだいくつかの重要な手続きが待っています。
スムーズにイタリアでの新生活をスタートさせるために必要なプロセスを説明していきます。
ステップ13:在留届の提出
海外での生活を始めたら、まず最初に行うべきは「在留届」の提出です。在留届は、日本国籍を持つ者が90日以上外国に滞在する場合に、最寄りの日本大使館や総領事館へ提出するものです。
これにより万が一の事態が発生した際に、速やかな連絡が可能となり、適切な支援を受けられるようになります。
また在留届はオンラインでも提出可能です。提出後は現地の安全情報がメールで送られてくることがあるので、情報を常に更新しておきましょう。
ステップ14:滞在許可証(Permesso di Soggiorno)の申請
滞在許可証は、イタリアでの長期滞在を合法的に認める証明書で、入国後8日以内に申請する必要があります。
ビザと混同されることがありますが、ビザと滞在許可証の違いは、ビザが入国のための許可であるのに対し、滞在許可証は国内での滞在を合法にするためのものです。
滞在許可証の種類は、就労、学業、家族滞在など、滞在目的に応じて異なります。申請は、地元の警察署(Questura)で行いますが、事前に郵便局で専用キットを受け取り、必要書類を準備してから訪問するのが一般的です。
【滞在許可証の申請に必要な書類】
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申請後、指紋の採取と面接が行われ、許可証の発行まで数週間から数ヶ月かかることがあります。滞在許可証が発行されると、イタリアでの滞在が正式に認められ、さまざまな公共サービスを利用することができるようになります。
ステップ15: 税番号(Codice Fiscale)の取得
税番号(Codice Fiscale)は、イタリアでのあらゆる行政手続きに必要な個人識別番号です。この番号は、銀行口座の開設、賃貸契約の締結、電気やガスなどの公共料金の契約、医療サービスの利用など、多岐にわたる場面で必要となります。
最寄りの税務署(Agenzia delle Entrate)で無料で取得することができます。申請には、パスポートや滞在許可証などの身分証明書が必要です。税務署に直接訪問するか、代理人を通じて申請することも可能です。
税番号の発行は通常即日で行われ、その場で番号が記載されたカードが交付されます。イタリアでの生活をスムーズに進めるためには、早めに税番号を取得し、各種手続きを円滑に進められるように準備することが大切です。
ステップ16: 住民登録(Iscrizione Anagrafica)
住民登録は、市役所(Comune)で行う手続きで、居住地の公式な記録を作成するためのものです。住民登録を行うことで、医療サービスや教育サービスの利用が可能になり、選挙権の行使や車両登録など、さまざまな行政サービスを受けることができます。
申請は、市役所の住民登録窓口にて、必要書類を提出し、登録手続きを行います。
【住民登録に必要な書類】
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手続きが完了すると、住民登録証明書が発行され、これをもとに他の行政手続きを進めることができます。住民登録は、イタリアでの生活を円滑に進めるための基本的な手続きであり、早めに済ませることをお勧めします。
ステップ17: 現地での銀行口座開設と海外送金サービス
イタリアでの生活を円滑に進めるためには、現地の銀行口座を開設することが重要です。銀行口座を開設することで、家賃や光熱費の支払い、給与の受け取りなどがスムーズになります。
イタリアの大手銀行には、Unicredit、Intesa Sanpaolo、Banco BPMなどがあります銀行によっては、英語対応のサービスを提供しているところもあるため、言語に不安がある場合は事前に確認すると良いでしょう。
【口座開設に必要な書類】
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イタリアの銀行口座へ送金する際は、TransferWise(現Wise)やRevolut、PayPalなどの国際送金サービスがおすすめです。
手数料の比較だけでなく、送金速度や通貨変換レートも事前にチェックし条件の良いサービスを選びましょう。例えば、Wiseでは複数の通貨を一つのアカウントで管理できるマルチカレンシーアカウントが便利です。
ステップ18: 医療保険の加入
イタリアの医療サービスは主に公共医療システム(Servizio Sanitario Nazionale, SSN)と私立医療機関があります。公共医療サービス (SSN)を受けるには登録手続きが必要です
【公共医療サービス (SSN)の登録に必要な書類】
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SSNは、一般診療、専門医診察、入院、救急医療などをカバーしており、滞在許可証を持っている場合、SSNへの登録が可能です。登録は、最寄りのASL(Azienda Sanitaria Locale)で行います。
SSNに登録することで、多くの医療サービスが無料または低額で受けられるようになります。
ステップ19: 就労許可証(労働ビザの場合)の取得
労働ビザでイタリアへ入国した場合、実際にイタリアで就労するためには就労許可証が必要です。申請は雇用主が行い、労働契約書、パスポート、滞在許可証などの書類が必要です。
まず、雇用主が労働局(Direzione Territoriale del Lavoro)に許可を申請し、その後、申請者がイタリアの警察署(Questura)で手続きを行います。手続きには、指紋採取と面接が含まれ、許可証の発行まで数週間から数ヶ月かかることがあります。
就労許可証が発行されると、合法的にイタリアで働くことができ、労働条件や権利も法的に保護されます。特に、家族で移住する場合は、家族滞在ビザの手続きも並行して行うことが重要です。
また、他のビザでイタリアに入国した場合でも、就労許可証を取得すれば働くことができます。しかし、すべてのビザが就労許可証の取得を許可しているわけではありません。学生ビザや家族滞在ビザなどでは、特定の条件を満たせば就労許可証を申請することが可能です。具体的な条件や手続きはビザの種類によって異なるため、事前に確認することが重要です。
ステップ20:携帯電話とインターネットの手配
緊急時の対応や日常生活の便利さを左右するため、移住後すぐに携帯電話とインターネットの手配を行うことをおすすめします。
携帯電話
イタリアの主要なプロバイダーには、TIM、Vodafone、WindTreなどがあります。携帯電話の契約には、通常パスポートや滞在許可証、住所証明が必要です。これらの書類を事前に準備しておくことで、スムーズに手続きが進みます。
インターネット
イタリアでの主要なインターネットプロバイダーには、Fastweb、TIM、Vodafoneなどがあります。インターネットの設置には数日から数週間かかる場合があります。早めに手続きを開始し、プロバイダーが提供するサポート体制も確認しておきましょう。
それぞれ契約の際は、各プランの内容を比較し、自分のライフスタイルに合ったサービスを選ぶことがポイントです。言語の壁がある場合、英語またはその他の言語でサポートを提供しているかどうかも契約前に確認が必要です。
まとめ
この記事では、イタリア移住に必要な手続きについて20のステップに分けて解説しました。移住前も移住後も必要な手続きは多岐にわたりますが、最も重要なポイントは、各手続きを早めに行い、必要書類を揃えて準備を進めることです。特に滞在許可証の申請や税番号の取得、住民登録などは早めに行うことで、安心して新生活を始める準備が整います。
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