ポルトガルは、美しい自然景観や温暖な気候、豊かな文化が魅力的な国として、多くの人々が移住先として選んでいます。特に家族での移住を考えている方々にとって、ポルトガルは安心して暮らせる環境が整っています。この記事では、ポルトガル移住に必要なビザの種類と取得条件、そして申請に必要な書類や手続きについて詳しく解説します。
移住のプロセスは複雑に感じるかもしれませんが、この記事を参考にすれば、あなたにとってどのビザが適しているのかを理解し、スムーズに手続きを進めることができるはずです。ポルトガルでの新しい生活を実現するための第一歩を歩みだしましょう。
ポルトガルのビザ種類 | 特徴と取得条件
ポルトガルに家族で移住する際には、適切なビザの種類を選び、その特徴と取得条件を理解することが重要です。ポルトガルでは、移住目的や個々の状況に応じて、さまざまなビザが用意されています。
ここでは、特に人気のある投資家ビザ(ゴールデンビザ)、リタイアメントビザ(D7ビザ)、就労ビザ、起業家ビザについて詳しく解説します。それぞれのビザの特徴、取得条件、そして必要な手続きについて詳しく説明し、どのビザがご自身とご家族の移住計画に最適かを判断するのに役立ててください。それでは、各ビザの詳細について見ていきましょう。
投資家ビザ(ゴールデンビザ)
投資家ビザ、通称ゴールデンビザは、ポルトガルに投資を行う外国人に発行されるビザです。このビザは、ポルトガルでの永住権取得を目指す投資家にとっておすすめのビザです。以下が投資家ビザの主な取得条件です。
【ビザ取得条件】
50万ユーロ以上(約8500万円※1ユーロ=168円時)をポルトガル国内のベンチャーキャピタルファンド(新興企業投資)やプライベートエクイティファンド(非公開企業投資)に投資する必要があります。新興企業や成長中の企業に投資するためのもので、投資家自身が管理や運営に関与する必要がないため、手間が少ないのが特徴です。
50万ユーロ以上を科学研究プロジェクトに寄付することで取得可能です。医療の進展や環境保護などの分野が対象となります。寄付は、ポルトガル政府が認める公的または私的な研究機関に対して行う必要があります。
25万ユーロ以上(約4250万円※1ユーロ=168円時)をポルトガルの文化遺産保護プロジェクトに寄付することが必要です。例えば歴史的建造物の修復や文化的イベントの支援が対象です。
最低10人のフルタイムの雇用を創出するか、もしくは50万ユーロを投資して5人の雇用を創出することが条件となります。 |
ゴールデンビザの最大のメリットは、ポルトガルに年間最低7日間の滞在が求められるだけで、長期間の滞在が不要である点です。また、5年間、継続的に住むと、市民権の申請が可能になります。
リタイアメントビザ(D7ビザ)
リタイアメントビザ、正式にはD7ビザは、定年退職後にポルトガルでの生活を希望する方々に適したビザです。主な条件は以下の通りです。
\あわせて読みたい/
【ビザ取得条件】
月々の安定した収入があること(通常は年金や不動産収入など)。
年間183日以上、ポルトガルで生活する意思があること。
ポルトガルで有効な医療保険に加入していること。 |
D7ビザは、年金受給者やその他の定期的な収入を得ている人が、ポルトガルで安定した生活を送るためのビザとなります。家族も一緒にビザを取得できるため、多くの退職者に人気です。
就労ビザ
ポルトガルで働くための就労ビザは、雇用主による正式な雇用契約が必要です。以下が就労ビザの主な取得条件です。
【ビザ取得条件】
ポルトガルの企業からの正式な雇用契約があること。
雇用主が、ポルトガル国内およびEU圏内で適切な候補者が見つからなかったことを証明すること。
職務に必要な資格や経験を持っていること。学歴証明書や職務経験証明書などが必要となります。 |
就労ビザを取得することで、ポルトガル国内で合法的に働くことが可能になります。また、このビザも家族の同伴が認められているため、家族全員での移住が可能です。
起業家ビザ
ポルトガルでビジネスを立ち上げるための起業家ビザは、革新的なビジネスプランを持つ方々に適しています。主な取得条件は以下の通りです。
【ビザ取得条件】
革新的でかつポルトガルの経済に貢献するビジネスプランを持っていること。ビジネスプランには、事業の目的や市場分析、財務計画などが含まれます。
十分な資本を持っていることが条件です。通常は最低5万ユーロ以上(約850万円※1ユーロ=168円時)の資本が必要とされます。
ポルトガルのビジネスインキュベーター(新興企業支援施設)やアクセラレーター(成長促進プログラム)からのサポートを受けていること。 |
起業家ビザは、スタートアップや新規事業を立ち上げたい方々にぴったりです。このビザを取得することで、ポルトガルでのビジネス活動を合法的に行うことができ、成功すれば市民権の取得も目指せます。
ビザ申請に必要な書類と手続き
ポルトガルへの移住を考えている家族にとって、ビザ申請は避けて通れない重要なステップです。ここでは、ビザ申請に必要な書類や申請手続きの具体的なステップ、そしてビザ申請時の注意点について解説します。申請プロセスをしっかりと把握し、必要な書類を適切に揃えることで、不安なく手続きを進めることができるでしょう。
必要書類リスト
ポルトガルのビザ申請には、以下の書類が必要です。ビザの種類によって必要な書類が異なるので、それぞれのビザに必要な書類は、大使館や大使館のWEBサイトで必ず最新情報を確認するようにしましょう。
書類 | 説明 |
ビザ申請書 | ポルトガル大使館または領事館の公式サイトで入手できる |
パスポート | 有効期限がビザ申請後少なくとも6か月以上残っていること |
証明写真 | 最近撮影されたパスポートサイズの写真 |
犯罪履歴証明書 | 出身国および過去に居住していた国の警察から発行されたもの |
健康保険証明書 | ポルトガルでの有効な健康保険に加入していることを証明する書類 |
滞在先の証明 | ポルトガルでの居住地を証明する書類(賃貸契約書など) |
収入証明 | 安定した収入があることを示す書類(銀行口座残高証明書、給与明細など) |
ビザ申請の手続き
必要書類の準備が整ったら、下記のステップを参考にビザ申請の手続きに進みましょう。
情報収集と準備
必要書類を揃え、ビザ申請の要件を確認します。
オンライン申請
ポルトガルのビザ申請ポータルでオンライン申請を行います。
書類提出
必要書類をオンラインまたは指定された窓口に提出します。
面接
必要に応じてビザ面接を受けます。面接では、申請内容やポルトガルでの計画について質問されます。
審査と結果通知
申請書類と面接結果が審査され、ビザの発行可否が通知されます。
ビザ受領
ビザが承認された場合、パスポートにビザが貼付されます。
ポルトガルのビザ申請には、種類によってさまざまな申請料がかかります。最新の料金や詳細は申請前に大使館や領事館などに確認することをおすすめします。
さらに、ビザの種類によって申請から発行までの期間も異なります。また、書類に不備があれば発行までにより長くかかるため、不備がないよう申請準備を進めましょう。
下記にビザごとの申請料と申請から発行までの目安の期間をまとめました。
ビザ種類 | 申請料(ユーロ) | 申請~発行の目安 |
投資家ビザ(ゴールデンビザ) | 申請料:533ユーロ(申請者ごと) 発行料:5,325ユーロ(発行カードごと) 更新料:2,663ユーロ | 18ヶ月 |
リタイアメントビザ(D7ビザ) | 申請料:90ユーロ 居住許可申請料:83ユーロ 居住許可発行料:72ユーロ | 3〜4ヶ月 |
就労ビザ | 2〜3ヶ月 | |
起業家ビザ | 3〜6ヶ月 |
ビザ申請の際の注意点
ビザ申請の手続きを進める際には、細心の注意を払い計画的に行うことが重要です。ビザ申請には時間がかかるため、申請期限を守ることが重要です。手続きを早めに開始し、余裕を持って準備を進めることで、必要な書類の準備や提出をスムーズに行うことができます。提出する書類に誤りや不足がないように細心の注意を払いましょう。書類の不備は申請手続きの遅延や拒否につながる可能性があるため、特に注意が必要です。
また、ビザ申請における面接では、移住の理由や計画について具体的に説明できるよう準備することが重要です。面接官に対して明確かつ説得力のある説明ができるよう、事前に移住理由や計画を整理しておきましょう。
さらに、ビザ申請の要件や手続きは頻繁に変更されることがあります。そのため、最新情報を定期的に確認し、必要に応じて手続きを更新することが大切です。ポルトガルの大使館や領事館の公式ウェブサイトを定期的にチェックし、最新の情報を入手するよう心がけましょう。
ポルトガルに移住するためのビザに関するQ&A
ポルトガルに移住するためのビザ申請に関して、様々な疑問や不安を感じる方は少なくありません。ここでは、特に家族での移住を検討している方々に向けて、よくある質問とその回答をまとめました。これらの情報を参考に、スムーズなビザ申請と手続きを進めてください。
ビザを延長するにはどうしたらいい?
ポルトガルでの滞在を延長する必要が生じた場合、ビザの延長手続きを行う必要があります。まず、ビザの種類に応じて必要な書類を揃え、現地の移民当局に提出します。延長手続きには、通常のビザ申請と同様に、一定の期間が必要です。特にゴールデンビザの場合、延長のためには少なくとも年間7日間はポルトガルに滞在していることが求められます。また、延長申請はビザの有効期限が切れる30〜90日前に行うことをおすすめします。
ポルトガルの永住権は取得できる?
ポルトガルの市民権を取得するためには、一定の条件を満たす必要があります。ゴールデンビザを含む多くのビザでは、5年間の連続した滞在が求められます。この期間中に犯罪歴がなく、ポルトガル語の基本的な知識を証明できることが条件です。市民権を取得すると、ポルトガルでの滞在が無期限で可能になり、EU内での移動や滞在が自由になります。
家族も一緒にビザを申請できますか?
家族も一緒にビザを申請することができます。家族のビザ申請には、申請者の配偶者、18歳未満の子供、および経済的に依存している18歳以上の子供が含まれます。家族ビザの申請には、家族関係を証明するための追加書類(結婚証明書や出生証明書など)が必要です。家族ビザの申請手続きも主申請者と同じく大使館または領事館で行います。
まとめ
この記事では、家族でポルトガルに移住を検討している方々に向けて、移住に必要なビザの種類とその申請プロセスについて詳しく解説しました。最も重要なポイントは、申請のタイミングや手続きの流れを把握しておくことです。そうすることで、書類準備や申請手続きもスムーズに行うことができます。
ポルトガルへの移住をスムーズに進めるためには、専門的なサポートが不可欠です。株式会社 La Quartaでは、海外移住の支援からビザ申請のサポート、お子様の学校探しのお手伝いまで幅広く行っており、皆様の移住計画を成功に導くお手伝いをしています。詳細な情報や具体的なサポートが必要な場合は、ぜひ株式会社 La Quartaにお問い合わせください。
ポルトガルでの新しい生活を始めるための第一歩として、この記事が皆様の役に立つことを願っています。ポルトガル移住を実現するために、一歩ずつ確実に進めていきましょう。
Comentarios