近年、退職後の移住先としてポルトガルが注目を集めています。温暖な気候、豊かな文化、そして比較的安価な生活費など、多くの魅力が詰まったポルトガルはまさに理想の移住先と言えるでしょう。
この記事では、ポルトガル移住のメリットとデメリットを徹底解説します。さらに、移住に必要な手続きやビザ(VISA)情報、移住後の生活詳細なども詳しくご紹介します。
ポルトガル移住を検討している方は、ぜひこの記事を参考に移住後の生活を具体的にイメージしてみてください。
ポルトガル移住のメリット
ポルトガルは、近年、移住先として注目を集めているヨーロッパの国です。温暖な気候、豊かな文化、美しい自然、そして比較的安価な生活費など多くの魅力が詰まっています。
ここでは、ポルトガル移住のメリットについて4つの項目に分けて詳しくご紹介します。ポルトガル移住のメリットを理解し、移住後の生活をイメージしてみましょう。
\あわせて読みたい/
1. 物価の安さ
ポルトガルは、ヨーロッパの中でも比較的物価が安い国です。特に食料品や外食費は、日本よりもかなり安く抑えることができます。家賃も、都市部と地方では差がありますが全体的に日本よりも安価です。
特に退職後の生活では、生活費を抑えることは非常に重要です。ポルトガルであれば、日本の生活費よりも少ない予算で質の高い生活を送ることができます。
下記はポルトガルでの生活費の一例です。
項目 | ポルトガル | 日本 | ポルトガル(日本円に換算) |
食料品 | 日本の約6割 | 100円 | 約60円 |
外食 | 日本の約7割 | 1,000円 | 約700円 |
家賃(都市部) | 日本の約8割 | 10万円 | 約8万円 |
家賃(地方) | 日本の約6割 | 5万円 | 約3万円 |
※為替レートは1ユーロ = 140円で換算した場合です。 今現在ユーロに対して円安が進んでいますので、現状はほぼ一緒のようなイメージになります。
このように、ポルトガルでは日本の約6割から8割程度の食費や外食費で生活することができます。家賃も、都市部であれば日本の約8割、地方であれば日本の約6割程度で抑えることができます。もちろん都市部と地方では物価差がありますので、移住先を選ぶ際には、予算とライフスタイルに合わせて検討することが大切です。
2. 温暖な気候
ポルトガルは、温暖な地中海性気候に属します。年間を通して温暖、冬でも雪が降ることはほとんどありません。夏は乾燥していますが、湿度が低いため過ごしやすいです。
ポルトガルの平均気温は下記のとおりです。
項目 | 数値 | 特徴 |
年間平均気温 | 約16℃ | 温暖で過ごしやすい |
夏の平均気温 | 約25℃ | 乾燥した暑さ |
冬の平均気温 | 約10℃ | 温暖で雨が多い |
日照時間 | 年間約2,800時間 | 日照時間が長い |
このように、ポルトガルは年間を通して温暖で日照時間も長い国です。そのためアウトドアが好きな方や健康的な生活を送りたい方にとって、理想的な移住先と言えるでしょう。
3. ビジネス環境の良さ
近年、ポルトガル政府はスタートアップ企業の誘致に力を入れています。そのため起業家にとって魅力的な環境が整っています。法人税率が低く起業支援制度も充実しています。
またポルトガルはEU加盟国であり、ユーロ圏にも属しています。そのためヨーロッパ全域へのビジネス展開も容易です。
投資家にとってもポルトガルは魅力的な移住先です。ポルトガル政府は、投資家向けのビザ制度を用意しており、投資に対して税制上の優遇措置も設けています。
具体的には下記のような支援があります。
|
このように、ポルトガルは、起業家や投資家にとって、ビジネスチャンスに溢れた国と言えるでしょう。
4. 豊かな文化と歴史
ポルトガルは長い歴史と豊かな文化を持つ国です。世界遺産にも登録されている歴史的な建造物や街並みを楽しむことができます。また音楽や食文化など、様々な伝統文化も受け継がれています。
文化的な刺激を受けたい方にとっても、ポルトガルは最適な移住先と言えるでしょう。特に、退職後は新しいことに挑戦したいという方が多いのではないでしょうか。ポルトガルであれば、様々な文化に触れる機会を得ることができます。
項目 | 内容 | 詳細 |
世界遺産 | ・ジェロニモス修道院 ・ベレンの塔 ・コインブラ大学など | ポルトガルには、15件の世界遺産が存在 |
伝統音楽 | ・ファド ・サンバ ・フォルクロールなど | ファドはポルトガルを代表する哀愁漂う音楽 |
伝統料理 | ・バカリャウ(干し鱈) ・フランセジーニャ(サンドイッチ) ・パステル・デ・ナタ(エッグタルト)など | バカリャウは様々な調理法で楽しまれる |
このように、ポルトガルには、歴史、文化、自然など、様々な魅力が詰まっています。退職後の生活を充実させたい方にとって、ポルトガルはまさに理想の移住先と言えるでしょう。
ポルトガル移住のデメリット
ポルトガルへの移住には多くのメリットがありますが、同時に考慮すべきデメリットも存在します。ここでは、ポルトガル移住前に知っておきたい注意点として、4つのポイントを解説します。
移住のデメリットを理解し、事前に対策をすることでよりスムーズな移住生活を送ることができるでしょう。
1. 税制の複雑さ
ポルトガルの税制は、日本と比べると非常に複雑です。所得税、住民税、社会保険料など、様々な種類の税金が課されます。また、非居住者と居住者で課税される税金が異なるため、移住後は税務申告が複雑になります。
特に、日本からの年金収入や投資からの利益に対して課税される税金は注意が必要です。これらの収入はポルトガルでも課税対象となるため、二重課税にならないように対策を講じる必要があります。
ポルトガル移住を検討している場合は事前に税務専門家に相談し、自分の状況にどのような税金が課されるのかを理解しておくことが重要です。
\あわせて読みたい/
2. 現地言語の課題
ポルトガルの公用語はポルトガル語です。英語は比較的通じますが、日常生活レベルで会話するにはある程度のポルトガル語の知識が必要です。
ポルトガル語は、日本語とは全く異なる言語体系を持っているため習得には時間がかかります。またポルトガルには様々な方言があるため、地域によって話される言葉が異なる場合があります。
移住後は仕事や学校、地域社会での活動など、様々な場面でポルトガル語が必要となります。そのため、移住前にある程度ポルトガル語を学んでおくことをおすすめします。
ポルトガル語の学習には、語学学校に通ったりオンライン教材を利用したり、独学で勉強したりするなど様々な方法があります。自分に合った学習方法を見つけて継続的に学習することが大切です。
3. 医療環境の問題
ポルトガルの医療制度は、日本と比べると公的医療の充実度が低いと言われています。医療費も日本よりも高額です。特に、高齢者や持病がある方は、移住前に医療環境について十分に理解しておくことが大切です。
ポルトガルには民間医療機関もありますが、日本語対応が可能な医療機関は限られています。そのため、移住後は通訳を介して診察を受ける必要がある場合もあります。
また、ポルトガルでは医療費の自己負担額が高額になる場合があります。そのため、国際健康保険や現地の医療保険に加入しておくことをおすすめします。
4. 経済的不安定さ
ポルトガルは近年経済成長を遂げていますが、依然としてEUの中でも経済的に不安定な国と言われています。失業率や貧困率が高く社会保障制度も充実していないため、経済的な不安を感じる人も多いようです。
特に、移住当初は仕事を見つけることが難しく、生活費が苦しくなる可能性もあります。そのため、十分な貯蓄をしてから移住することをおすすめします。
また、ポルトガルでは家賃や物価が上昇傾向にあるため、移住前に生活費をしっかりと計算しておくことが大切です。
ポルトガル移住に必要なビザ(VISA)の種類
ポルトガル移住を成功させるためには、移住目的や滞在期間に合ったビザ(VISA)を取得することが重要です。ポルトガルには、起業家、投資家、退職者、就労者など、様々な移住者向けのVISA制度が用意されています。
ここでは、ポルトガル移住に必要な主な4つのVISAの種類と、それぞれの概要について詳しくご紹介します。
\あわせて読みたい/
|
それぞれのビザの要件、申請方法、滞在期間、メリット・デメリットなどを比較検討することで、自分に最適なビザを選びましょう。また、移住手続きは複雑な場合もあるため、専門家によるサポートを受けることをおすすめします。
起業家ビザ(D2ビザ)
起業家ビザは、ポルトガルで起業することを目的とした移住者向けのビザです。一定の投資額や雇用創出条件を満たすことで取得できます。
項目 | 内容 |
要件 | ・ポルトガルで最低2万ユーロ以上を投資すること ・3人以上の雇用を創出すること ・ポルトガル語または英語のビジネスレベルのスキルを証明すること |
申請方法 | ・ポルトガル移民局に申請書類を提出する |
必要な書類 | ・事業計画書 ・資金調達証明書 ・雇用創出計画書他 |
滞在期間 | ・ビザの有効期限は1年間(更新可) |
起業家ビザ(D2ビザ)のメリット・デメリットは以下の通りです。
<メリット>
<デメリット>
|
投資家ビザ(ゴールデンビザ)
投資家ビザは、ポルトガルに一定額を投資することを目的とした移住者向けのビザです。投資の種類や金額によって、取得できるビザの種類が異なります。
項目 | 内容 |
要件 | ・ポルトガルに25万ユーロ以上を投資すること (不動産、投資ファンド、企業への投資など、様々な投資方法がある) |
申請方法 | ・ポルトガル移民局に申請書類を提出する |
必要な書類 | ・投資証明書 ・身分証明書 ・資金調達証明書他 |
滞在期間 | ・ビザの有効期限は5年間(更新可) |
投資家ビザ(ゴールデンビザ)のメリット・デメリットは以下の通りです。
<メリット>
<デメリット>
|
リタイアメントビザ(D7ビザ)
リタイアメントビザは、ポルトガルで年金収入などを得て生活することを目的とした移住者向けのビザです。一定額の年金収入を証明することで取得できます。
項目 | 内容 |
要件 | ・ポルトガル国外で毎月1,200ユーロ以上の年金収入を得ていること ・ポルトガルで医療保険に加入すること |
申請方法 | ・ポルトガル領事館に申請書類を提出する |
必要な書類 | ・年金証明書 ・医療保険加入証明書 ・身分証明書他 |
滞在期間 | ・ビザの有効期限は1年間(更新可) |
リタイアメントビザ(D7ビザ)のメリット・デメリットは以下の通りです。
<メリット>
<デメリット>
|
就労ビザ
就労ビザは、ポルトガルで働くことを目的とした移住者向けのビザです。雇用主から就労ビザのスポンサーシップを受ける必要があります。
項目 | 内容 |
要件 | ・ポルトガルで有効な雇用契約を結んでいること ・必要な資格やスキルを証明すること |
申請方法 | ・雇用主がポルトガル移民局に申請書類を提出する |
必要な書類 | ・雇用契約書 ・資格証明書 ・身分証明書など |
滞在期間 | ・ビザの有効期限は雇用契約の期間に準じる(更新可) |
就労ビザのメリット・デメリットは以下の通りです。
<メリット>
<デメリット>
|
ポルトガル移住までの4ステップ
ポルトガルへの移住は、多くの手続きと準備が必要ですが、計画を立てて進めることでスムーズに実現することができます。ここでは、ポルトガル移住を成功させるための下記の4つのステップをご紹介します。
1.ポルトガルでの起業や投資の準備 2.ビザ申請と入国手続き 3.住居の確保 4.滞在許可証の取得 |
それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。
1. ポルトガルでの起業や投資の準備
ポルトガル移住を成功させるためには、まず移住後の生活をどのように送りたいのかを明確にすることが重要です。起業や投資を考えている場合は、事前にしっかりと準備を進める必要があります。
ポルトガル政府は、起業家を支援する様々な政策を実施しています。起業家ビザの取得や、融資制度の利用などが可能です。
ポルトガルには、株式投資、債券投資、投資ファンドなど様々な投資商品があります。投資先を選ぶ際には十分な調査を行い、リスクを理解した上で投資することが重要です。
起業や投資以外にも、リモートワークやフリーランスとして働くことも可能です。自分のスキルや経験を活かしてポルトガルで活躍できる道を探しましょう。 |
2. ビザ申請と入国手続き
ポルトガル移住には、ビザを取得する必要があります。ビザの種類は移住目的によって異なります。
ビザ申請には、パスポート、証明写真、戸籍謄本、住民票など、様々な書類が必要です。
ビザ申請は、ポルトガル領事館で行います。申請書類は、領事館のホームページからダウンロードできます。
ビザを取得したら、ポルトガルに入国する必要があります。入国時にパスポートとビザを提示する必要があります。 |
3. 住居の確保
ポルトガル移住前に、住居を確保しておくことが重要です。ポルトガルには様々な種類の住居があります。
ポルトガルでは、賃貸住宅が一般的です。家賃は、地域や物件によって異なります。
ポルトガルでは、不動産を購入することも可能です。購入には、住宅ローンを利用することもできます。
短期滞在の場合は、ホテルやゲストハウスを利用することもできます。 |
4. 滞在許可証の取得
ポルトガルに90日以上滞在する場合は、滞在許可証を取得する必要があります。
滞在許可証取得には、パスポート、ビザ、住民票、証明写真など、様々な書類が必要です。
滞在許可証申請は、ポルトガル移民局で行います。申請書類は、移民局のホームページからダウンロードできます。 |
ポルトガル移住に関するQ&A
ポルトガル移住を検討する際には、多くの疑問や不安が生じることでしょう。ここでは、ポルトガル移住に関するよくある質問にお答えします。
移住にかかる費用は?
ポルトガル移住にかかる費用は、ライフスタイルや住む場所によって大きく異なります。
下記はポルトガル移住の際にかかる初期費用と生活費の目安です。概算として、年間100万円~200万円程度あれば、ポルトガルで快適に生活することができるでしょう。
\あわせて読みたい/
項目 | 内容 | |
<初期費用> | 航空券 | 約10万円~ |
ビザ申請費用 | 約5万円~ | |
住居の敷金・礼金 | 家賃の1~2ヶ月分 | |
家具・家電 | 約50万円~ | |
その他(生活用品、保険など) | 約20万円~ | |
<毎月の生活費> | 家賃 | リスボン市内であれば、1DKで約8万円~ 地方であれば約5万円~ |
食費 | 約4万円~ | |
水道光熱費 | 約2万円~ | |
通信費 | 約1万円~ | |
交通費 | 約1万円~ | |
その他(娯楽、外食など) | 約2万円~ |
現地の食事は日本人にあう?
ポルトガル料理は、魚介類や野菜を使った料理が多く、日本人にとっても比較的食べやすいと言われています。
<おすすめ料理>
<食に関しての注意点>
|
移住後の生活はどんな感じ?
ポルトガルは、温暖な気候と美しい自然に恵まれた国です。人々も親切でフレンドリーなため、移住しやすいと言われています。
<生活リズム>
<言語>
<文化>
|
まとめ
ポルトガル移住は、温暖な気候、豊かな文化、比較的低い生活費など、多くの魅力を備えています。この記事では、ポルトガル移住のメリットとデメリット、移住に必要な手続きやビザ情報、移住後の生活詳細などを紹介してきました。
ポルトガル移住は、人生を変える素晴らしい経験になる可能性を秘めています。しかし、移住にはリスクも伴います。メリットとデメリットをしっかりと理解し、十分な準備をしてから移住することを決断しましょう。
ポルトガル移住について、少しでも興味を持っていただけたでしょうか?この記事が、あなたのポルトガル移住計画のお役に立てれば幸いです。
弊社ではビザの申請サポートはもちろん、現地への移住サポートからお子様の学校探しのお手伝いまで幅広く行っています。
海外への移住をお考えの方は、ご希望に沿った形でのご提案やサポートが可能ですので、お気軽にご連絡くださいませ。
海外への移住に関する詳細:https://www.la-quarta.jp/immigration